『解夏』
さだまさし著
幻冬舎文庫\648

この本は、映画やフジテレビ系列の
ドラマ『愛し君へ』の原作となった
小説です。
『解夏』のほかに、短編小説として
『秋桜』『水底の村』『サクラサク』が
収録されています。

 この小説の内容は、主人公である隆之が徐々に視力を失っていく目の病気、
ベーチェット病に犯され、仕事を失い地元長崎へと帰郷。
そこへ東京に残してきた恋人・陽子が彼を支えようと長崎へ・・
隆之の母、恋人の陽子、周りの友達に支えながら少しずつ病気と向かい合う。
そしてある時、お寺で知り合った老人に『解夏』の話を聞いて失明するまでの間、
心強く生きていくって話である。

 私は、もともと解夏を映画で見たかったんだけど、忙しくて見れず、
ドラマで『愛し君へ』を見て、原作が読みたくなって買って読み出した。
私自身、とても残念に思うのが、隆之が失明した所までしか書かれておらず
失明したその後が書かれていなかった事がとても残念に思ってしまった

 でもこの本を読んで、私自身『あと3ヶ月で失明します。』と宣告された時、
私はいったいどうするのだろう?って思ったし、恋人が失明するからと言われた時の
気持ち、陽子みたいに彼の事を支える事が出来るのだろうか?って思った。

 きっと病名を聞いて、その予後を聞かされたときって言うのは、今の自分だと
想像もつかないほどショックを受けるだろうし、正直自暴自棄になりそうだと思った。
だって私たちは、この目でいろんなものを見て、その目から見える物からいろんな事を
想像し、考える。もちろん目以外にも、口や耳、鼻といったいろんなものを判断していく
上で大切なものはある。でもその大半を占めているのは目だと思う。

 そんな目を失った時、人間はどういった経過をたどるのか、
そんな隆之の感情とか行動がよく書けてたと思う。
もちろん辛いのは、本人だけじゃない。彼を取り巻く人間だってとても辛い。
それが肉親だったり恋人だったりするともっと辛いんじゃないだろうか??

 この本の中で、陽子は気丈にもしっかりと恋人の隆之を支えてきている。
彼の前では泣かなかったり、いつも笑って見せた。彼の側にいる事が、
自分の責任だと思っていたからだ・・
私は、本当にこの人は強い人なんだと思った。さすがに隆之の目が見えなくなった
時は泣いてしまったけれど、私はここまで彼を支える事は出来ないなっって思った。

 だって失明する事で、この病気は終わりを迎える。でも生きていく上では終わりじゃ
そうこれからが始まりなのだ。その道のりはきっと長いだろうし、辛い事も多いと思う。
その彼の人生事請け負って行こうとなんて、私には無理。きっと逃げ出してしまう。
今現在、主人が失明したら、私は支えられるのか?って疑問に思う。

 この本は、そういった事を私に考えさせてくれる本だった。
あなたはどう思いますか?自分にとって大切な人が病気になったとき、その病気にも
よるかもしれないけれど、支えつづけることが出来ますか?
自分が、病気になったとき、自分の大切な人のことどのように考えますか
ぜひこの本を読んで、考えてもらえればいいなって思います。

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