『誕生死』
流産・死産・新生児で子をなくした親の会・著
三省堂 \1300

この本は、出産前後に子供をなくされた、
13名の父母が、
実名で手記されたものです。

『誕生死』、誕生死とは、生まれてくるはずだったわが子が、何らかの原因で、
または病気で生まれて来れなかった死の事を意味します。
私は、3年間産婦人科で看護師として働いてきました。
その中で、流産・胎内死亡など小さな命の最後を見てきました。
そのたびに、胸が苦しくなり、泣きそうになったことがあります。

 私達、看護婦は入院中の時しか側にいてあげることが出来ません。
その中でいったい私達に何が出来るのでしょうか?
この本を読んで、悲しみが苦しみが押し寄せてくるのは、あとになってから
だということが分かりました。そう、入院中も悲しみは大きいけれど、
退院してからのほうがもっと悲しみが大きいのです。

 だからこそ、入院中に患者さんに亡くなった赤ちゃんに精一杯の事をして
あげたいと思うんです。この本の中に、医療者側の誠意のない対応が
書かれていました。同じ医療従事者としてとても悲しくなります。
そして私は、看護婦のとき同じような場面に何度も出会ってきたけれど、
本当に私がとった行動は、患者さんに赤ちゃんに良かったことなのか
考えさせられました。

 妊娠は、病気ではありません。病気でないからこそ、予想も起きないことが
起きるのです。妊娠することは、妊娠中は簡単なのもって思われがちですが、
妊娠を通して、苦しんでいる方、悲しんでいる方は大勢います。
だからこそ、小さな命が宿ったとき、そして無事に生まれてきたときに
喜びが大きいものだと思うんです。

 ぜひ、皆さんにもこの本を読んでいただきたいと思います。
特に、医療側で働いている方、私達が感じることの出来ない気持ちや
考え方が分かると思います。そして、そういう気持ちを踏まえた上で
看護にあたって欲しいと私は思います。もちろん私もそうします。

 悲しくて涙を流してしまう本だけれども、我が子をなくされた親の気持ちが
十分に詰まった本です。この本を読んで、妊娠って生命の誕生って尊いもの
なんだと感じてもらえると嬉しいと思います。

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